2015年8月23日日曜日

インナータオプラクティス『完全な静から生まれる動』



インナータオプラクティスは、肉体のたたずまいを作るワークショップである。反復運動による筋肉の増大や、達成感、緊張状態からのリリースによる心地よさなどを狙ったものではない。

インナータオプラクティスでは、自分と地球の関係性を見つめる。肉体は、地球の物質からできている。そういう意味では、地球の内部から噴出するマグマと同じようなものであるといえる。

だが、現代的な生活は、地球と肉体を分断した。肉体は地球を、そして太陽さえも感じることができなくなってしまった。プラネタリーな不感症、それが現代の病の原因である。

インナータオプラクティスは、静かである。静の中にある自分を見つめる時間である。自分の静をただ見つめていると、その中にある生命の躍動を感じることがある。それが気である。それがプラーナである。それが生命エネルギーであり、その流れこそが、肉体を最善の状態に維持している、根源的な働きなのである。

このことを体感すると、人生は変容を始める。

身の回りのあらゆるものの中に生命エネルギーを感じ取るようになる。喜びと悲しみが、どのように渦巻き、この世を流れているかを感じるようになる。

人生とは、奇跡なのだ。これほど多くのエネルギーが集約し、何十億、いや、何十兆もの生命体の関わりの中で絡み合いながら連綿と変化を続けている。そのような奇跡的な星に私たちは生きている。

その奇跡に刮目したとき、あなたの静から動が生まれる。

それはあたかも蕾がある瞬間を境に花となるように、自然な流れでありながら一つの境界を越えてもう戻ることのできない変化をあなたの人生に起こしてくれるのだ。

そこには喜びがあり、光があり、静寂がある。

生という、時にせせらぎのようにざわめき、時に濁流となって轟音をとどろかす川を、あなたは傍にたたずんでじっと見つめることになる。濁流にのまれることも、せせらぎを求めてさまようこともない。

あなたはすべてが奇跡であることを知っているからである。